【体験談】亡くなったペットのぬいぐるみを作った方のお話

最愛の猫ちゃんを亡くしてしまったある方のお話をご紹介します。
亡くなったペットのぬいぐるみ作りを検討されている方の少しでも参考になれば幸いです。

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私は猫が大好きで、昔から常に複数の猫たちと一緒に暮らしています。
その中でも、テンは私にとって特別な存在でした。

人生でいろいろとつらいことが重なっていた時期に出向いた保護施設で出会った子です。
何匹か子猫たちがフリーになっている空間で、ぼんやり見ていた私のひざの上に自分からよじ登ってきた白黒のハチワレ子猫。
聞くと生後4ヶ月の女の子だそうで、いつのまにか私の手の下でゴロゴロと喉を鳴らしていました。
瞬間的になんとなく「この子はうちの子だ」と感じました。
片方の耳に良性のポリープができていたせいで頭が少し傾いており、ものにぶつかることも多いと言われましたが、引き取ることに迷いはありませんでした。
その日のうちにいくつかの手続きを終えて連れて帰り、「テン」と名付けることにしました。

テンが来てわりとすぐに私は婦人科系の病気で一週間ほど入院することになり、その間は仲のいい友達と親戚に世話をお願いしていました。
退院後にひさしぶりに会ったテンは、まだ体がしんどくてあまり動けない私に寄ってきて、最初出会った頃と同じように甘えてくれたのをよく覚えています。
しばらくは体調が優れなかったのですが、その間ずっと彼女は私の膝やお腹の上に乗ってきて、まるで私の体を気遣うようにそばにいてくれました。

その後テンは耳のポリープの手術、慢性口内炎治療としての抜歯など、たび重なる診察や治療をとてもよく頑張ってくれました。
でも17歳になる頃に口の奥に進行性の悪性腫瘍ができ、ついにその日が来てテンは虹の橋を渡ることになりました。
生きている命だから必ずいつか亡くなってしまう。
わかってはいたけれど、ショックで、信じたくなくて、本当につらかった。

私はその日が来ることを覚悟してから、テンが亡くなる少し前にぬいぐるみの制作を依頼していました。
そして亡くなって1ヶ月半ぐらいした頃、白い箱に入ったぬいぐるみのテンが我が家に届きました。
テンの面影をそのまま残したような姿を目にした瞬間、「よく帰ってきたね」と勝手に言葉が漏れ、泣き崩れました…
顔のハチワレ模様や白くて丸っこい手足、丸いお目々、長いしっぽ。
写真以外で久しぶりに見たテンの特徴すべてが、愛おしくてたまりませんでした。

ぬいぐるみは思っていたよりもしっかりとした弾力でしたが(実物のテンはもっとふにゃりとしていました)、
テンがよく寝ていた猫用ベッドに寝かせると、まるで本当にテンがそこに帰ってきたみたいで…

家じゅうソファを見ても、ラグの上を見ても、ベッドを見ても、テンがいないことを確認して落ち込むばかりの日々だったのですが、いつものベッドにテンの姿があることでこんなに安心した気持ちになることに驚きました。

テンとのお別れを思い出すと、まだ悲しみで胸がいっぱいになります。
だけどテンのぬいぐるみ、そして数えきれない思い出とともに、他の猫たちとこれからものんびり過ごして行けたらと思います。

 

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