ご挨拶 - ぬいぐるみを作る理由 -


はじめまして。
FLUFFYの店長、勇川と申します。

私は子どもの頃、犬を飼うことができませんでした。
「うちは転勤族だから」という理由でしたが、転勤がなくなっても、かたくなに犬を飼うことを許してはもらえず…

その本当の理由は後で知ったのですが、私の母が子どもの頃に大好きだった愛犬を亡くしてショックを受けて以来、犬を飼うこと自体がすごく怖くなってしまったからということでした。

それでも小鳥やハムスター、拾ってきた猫を飼うことはできたので、動物の素晴らしさや愛おしさを思いきり感じながら成長できたのは私にとって本当にいい経験だったと思います。

と同時に、かけがえのない存在が亡くなったときの苦しさは耐えがたいものであるとも知りました。
母が感じた深い悲しみも子どもながらに理解できました。

 

そして現在、大人になって家族を持った私はようやく犬を飼う機会に恵まれました。

新しいパートナーとなった愛犬との生活は、大変で手がかかるけど、思っていたよりもずっとずっと素晴らしく、今まで出会ってきたたくさんの動物たちと同じく愛にあふれた宝物のような日々でした。
最高に可愛くて愛おしい、そんなかけがえのない存在です。

そして多くの飼い主さんと知り合うにつれ、こんなことを思うようになってきました。
「やっぱり動物好きさんは優しい人が多い」
「ペットが亡くなったときに人一倍苦しむ人も多い」


動物と一緒に暮らすことは、他の何にも代えがたい素晴らしい経験です。
私は動物からたくさんの愛や優しさをもらいました。
私の母みたいに、悲しみからトラウマになり前に進めなくなってしまう人もいる中で、動物好きさんの少しでも心の癒しになるようなことができたらと思うようになり、このお仕事を始めました。

FLUFFYのぬいぐるみは剥製ではないですし、3DプリンタでAIによって作られた完璧なコピーでもありません。羊毛フェルト作品のように、歯や爪や肉球などの細部まで緻密で精巧に作られているというわけでもありません。
ぬいぐるみの仕様上、実物とはまったく同じというわけにはいかない部分もあります。
でもそこにはぬいぐるみならではの柔らかい雰囲気と、人の手を通して丁寧に作られたあたたかさが感じられるはずです。

いただいた写真を何度もじっくり見ながら、全体のフォルムをイメージして型紙を起こし、写真の毛並みをよく見て何十種類もある中から素材を選びます。
ぎゅっと強く抱きしめても大丈夫なように、細部までしっかり丈夫に縫い合わせ、部位に合った中身を詰める。
そして写真と何度もにらめっこしながらその子だけの毛色や模様をスプレーガンで丁寧に再現していきます。

そんなふうに数多くの工程を経て、何人もの職人さんの真剣なまなざしを受けて作られたぬいぐるみには、大事な使命があります。
飼い主さんのそばにいつもいて、見守り、癒やすこと。

どうか飼い主さんのお気持ちに寄り添えますように…
FLUFFYのぬいぐるみを「行ってらっしゃい」と送り出すときは、大切なわが子を送り出すような気持ちでじつはいつもドキドキです。
どうか「おかえり」と温かく迎えてもらえますように。

その先に、人も、動物も、みんなが幸せに暮らせる優しい世界が広がっていますように。
そう願っています。